台風ハイエン:トリビア(パラオ豆知識)#2

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Ungil Tutau! おはようございます!

さて、早速第二弾に行きたいと思います。

どうやら太平洋上には台風や熱帯低気圧が多数見られ、日本にも接近や上陸する恐れがあるとのこと。そこで、今回は豆知識として我々パラオ政府からみなさんに覚えておいて頂きたいことをお伝えします。パラオの台風被害と言えばやはり思い出すのは2013年に発生した台風ハイエン、フィリピンの別名ヨランダ。日本では平成25年台風第30号として知られてますね。この台風はカテゴリー5又はスーパー・タイフーンと位置づけされ、フィリピンを直撃したのはニュースでご覧になられたと思います。しかし、皆さんご存知でしたでしょうか。パラオの一番北にある州、カヤンゲル州のカヤンゲル島にも絶大な被害をもたらしました。

当時、カヤンゲル島には24世帯69人もの住民がいました。最大風速70m/s以上、そしてリーフ内で6mを超える波を観測しました。壊滅的な被害をもたらし、全損の建物が22戸、そしてコンクリートの骨組みだけが残ったのが2戸。しかしながら、負傷者ゼロで全員が無事という奇跡とも言える出来事でした。島民はシェルターやコンクリートで出来たシャワールームや貯水タンクに身を隠し夜から明け方に掛けて過ごしました。貯水タンクに入ったはいいものの出る術がなく、助けが来るまで長時間閉じ込められてたという珍事件も発生。その後、島民はパラオ政府と赤十字の連携協力などでコロール島に避難しました。また、カヤンゲル島の復興のため国連、日本国政府、アメリカ合衆国政府、そして台湾政府など様々な方面からODAや支援を頂き、大変びっくりと言いますか感激したのを覚えております。

その支援のうちの一つをここで取り上げたいと思います。パラオ滞在中、何回か発見した「あれ、これどこかで見たことある!」と思ったこのディスプレイ。そこで大使館にあるオリジナルをパシャリ。パラオでの台風被害を聞きつけ、噂で広まった日本の皆様の寄付金募集でなんと4,466人から日本円で¥40,250,096を支援して頂きました。その後、この寄付金はパラオ共和国のレメンゲサウ大統領に託し、復興支援に充てられました。本当に有難うございました!

今現在のカヤンゲルは大分復興が進み、島民も大部分が帰島。しかし、まだ台風の爪痕が残っております。

台風についての補足ですが、パラオは台風の卵が発生する地域として知られていました。しかしながら、最近ではパラオの南東の海域で発生することが多くなり、パラオに到達する頃には台風が急成長していることが多いです。この理由として地球温暖化が示唆されてます。温暖化によりエルニーニョ現象が起こり、台風が発達しやすくなっているとされています。地球温暖化、その他にも海面上昇などパラオにも影響しているんです。レメンゲサウ大統領も国連で声明を発表などをし、協力を呼びかけてます。英語のみとなりますが、国際連合パラオ共和国政府代表部のホームページにてご覧いただけます(http://palauun.org/official-statement/)。また、ニュースの方でも紹介した5月に開催された太平洋・島サミット(PALM7)でも気候変動について議論やイベントが開催されました。このサミットの概要も日本国政府外務省のホームページで検索をしてみてください。

これから台風シーズンで次々と台風が来るのでしょうか?今回の一連の台風たちはパラオへの影響はほとんど無いと見ておりますが、これから先の台風情報から目が離せません。

それでは、また次回をお楽しみに〜!