ジェリーフィッシュレイク:トリビア(パラオ豆知識)#5

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Alii!こんにちは!

皆さんはパラオの人気スポットの一つ、「ジェリーフィッシュレイク」をご存じでしょうか?ふわふわゆらゆらと水中を漂う姿が心癒されるジェリーフィッシュ(クラゲ)。実はこれ、塩水湖に生息するタコクラゲの一種でゴールデン・ジェリーフィッシュという大変珍しく、毒を持たないクラゲなんです!大昔の地殻変動によって出来たこの湖にクラゲが取り残され、進化の過程で毒を持たなくなったと言われております。1998年にはエルニーニョ現象により水温が上昇し、一時は絶滅寸前だったジェリーフィシュレイクのクラゲ達、今では復活!実はこのジェリーフィッシュレイク、海底近くで外海と繋がっているという話も聞きます。それにも関わらず、水深15mより深いところは全く空気がない無酸素層であり、有毒な硫化水素が含まれているのです。ところで「硫化水素」って?って思いますよね。温泉地域に行った時に嗅ぐあの特徴的な匂い、硫黄とよく言われていますが実は硫化水素。無色で水によく溶ける弱い酸性の性質を持っており、皮膚や粘膜を刺激する有毒な気体です。万が一ジェリーフィッシュレイクでダイビングをすると無酸素層に含まれている有毒な硫化水素が皮膚などから吸収されてしまうと血液中に溶け込み血液の酸素供給へ害を及ぼし、頭痛や吐き気、さらには死に至る危険性があるのです。硫化水素の濃度を測る際に試めしに湖の底に実験的に鉄の棒を落とし、10分後引き上げてみると…..なんと真っ黒になって帰ってきたとのこと。規定濃度の8倍の硫化水素が湖の底で観測されているというジェリーフィッシュレイク、これでは人間はひとたまりもありません。では、なぜこの現象が起きているのか。その一つの理由として何千年も昔、死骸を分解するバクテリアがジェリーフィッシュレイク内の酸素を全部取り込んでしまったため、硫化水素が発生したといわれています。しかし、ジェリーフィッシュレイクは周りを高い山で囲まれているため、水面を吹く風の力が弱く、湖の深い部分では硫化水素の浄化しきれないのです。そのため、特に深いエリアでは光合成で酸素や栄養素を作る共生性の藻類を体内に取り込んでいるジェリーフィッシュやプランクトンのみ生息可能ということです。これがジェリーフィッシュレイクのクラゲさん達が猛毒な硫化水素でもへっちゃらな理由なのです。

とはいえジェリーフィッシュレイクにいるクラゲは実はとっても繊細な生き物。水から出されてしまうと体内の水が組織から流れ出て壊れてしまう恐れがあります。又、フィンが当たるだけでクラゲは簡単にスライスされてしまい、死んでしまいます。その他にも、大変危険なためダイビング禁止、スライス事件撲滅のためライフジャケット常時着用、そしてクラゲにとって有害である日焼け止め禁止などのルールがあります。

人間よりも強い面や弱い面もある不思議なジェリーフィッシュレイクのクラゲ達。

皆さんも訪れる際は湖の主に敬意を表し、クラゲ達のゆらゆらと水中で舞う姿をお楽しみください!!

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最後にクエスチョン:ジェリーフィッシュレイクに生息するクラゲの足は何本でしょうか?

正解は下↓

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は:8本。タコクラゲとあって足は8本。しかし、たまに4本、6本、または10本の足を持つ超人的クラゲも存在します。是非、訪れた際はじっくり観察をし、レアものを探してみてください。